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監督・脚本 アブデラティフ・ケシシュ Abdellatif KECHICHE

1960年12月7日チュニジアで生まれ、6歳の時に南仏ニースに移住。アンティーブの国立演劇学校で学び、コート・ダジュール周辺の舞台で活躍。やがて演出も手がけるようになり、81年にアヴィニョン演劇祭でフェルナンド・アラバールの戯曲「建築家とアッシリアの皇帝」を演出。映画では、俳優としてアンドレ・テシネの「イノセンツ」(87/大阪ヨーロッパ映画祭にて上映)でサンドリーヌ・ボネール、ジャン=クロード・ブリアリらと共演。その後、監督を目指してさまざまな脚本を手がけるが、なかなか製作資金を得られなかったところ、「ヴォルテールのせい」の企画がプロデューサーの目にとまり、2000年に念願かなって監督デビュー。パリにやって来た移民の若者たちの日常を確かな観察力で描きだし、ヴェネチア国際映画祭にて新人監督を対象とした金獅子賞を受賞。その後、新人の俳優たちと低予算で撮った「身をかわして」(04)が、05年のセザール賞で並みいる話題作を押さえ、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀新人女優賞の4部門を獲得。長編第3作「クスクス粒の秘密」(07)では、自然でありながら緊張感あふれる演出で、船上レストランを開こうと奮闘するチュニジア系移民の男性と、その家族と愛人親子の姿を生き生きと描きだし、ヴェネチア国際映画祭で審査委員特別賞、国際映画批評家連盟賞などを受賞。さらにセザール賞でも再び最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀新人女優賞の4部門で受賞。10年には、初の時代劇となる「黒いヴィーナス」を再度ヴェネチア国際映画祭に出品し、話題を呼ぶ。13年、ジュリー・マロのコミック「Le bleu est une couleur chaude / Blue is the warmest color」を映画化した『アデル、ブルーは熱い色』を第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品。満場一致で最高賞パルムドールに輝く。主演女優ふたりにもパルムドールが授与されるという史上初の快挙を成し遂げた。

フィルモグラフィー

  • 2000年 「ヴォルテールのせい」(シネクラブ上映) La faute à Voltaire
        第57回ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞受賞(最優秀処女作)
  • 2004年 「身をかわして」(シネクラブ上映) L'esquive
        第30回セザール賞4部門受賞(最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀新人女優賞)
  • 2007年 「クスクス粒の秘密」(東京国際映画祭上映) La graine et le mulet
        第64回 ヴェネチア国際映画祭5部門受賞(審査委員特別賞、国際映画批評家連盟賞、
        マルチェロ・マストロヤンニ賞/新人俳優賞、YoungCinema賞、SIGNIS賞Honorable Mention)
        第33回 セザール賞4部門受賞(最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀新人女優賞)
        第65回 ルイ・デリュック賞 ルイ・デリュック賞受賞
  • 2010年 「黒いヴィーナス」(地中海映画祭2013上映) Vénus noire
        第67回 ヴェネチア国際映画祭 コンペティション部門出品
  • 2013年 『アデル、ブルーは熱い色』 LA VIE D’ADELE CHAPITRES 1 ET 2

共同脚本:ガリア・ラクロワ Ghalya LACROIX

チュニジアを代表する女性監督であるムフィーダ・トゥラートリの『ある歌い女の思い出』(94)のほかいくつかのチュニジア映画(ケシシュ監督が俳優として出演した、ヌーリ・ブジット監督の“Bezness”(92)なども)に出演ののち、ジャン=リュック・ゴダールの『フォー・エヴァー・モーツアルト』(96)のロゼット役で注目を集める。その後、女優から脚本家へと転身し、「ヴォルテールのせい」に端役出演したのをきっかけに、ケシシュ作品に共同脚本家として参加するようになる。それ以降、「身をかわして」「クスクス粒の秘密」「黒いヴィーナス」、そして本作と、脚本づくりのほか編集にも携わり、ケシシュ作品になくてはならない人物として活躍。

原作:ジュリー・マロ Julie MAROH

1985年、フランス最北部のランスに生まれる。ルーベのE.S.A.A.T(高等美術装飾&テクスタイル学校)を卒業したのち、ベルギーに移ってブリュッセルのサン=リュック学院でヴィジュアル・アートを、王立美術学校で石版画および版画を学ぶ。在学中よりBD(バンド・デシネ=コミック)作家活動を開始し、2004年のメゾン=ラフィットのBDコンクールにおいて、18歳以上のアマチュア部門で受賞。07年にはフランス北部の街カルヴァンで初の個展を開いて注目を集め、翌08年にはブリュッセルのBD展にて有望新人賞を受賞。そして10年、本作の原作となるコミック「Le bleu est une couleur chaude / Blue is the warmest color」を発表。これが話題となり、さまざまな賞を受賞したほか、スペイン語、オランダ語、英語版も出版され、世界11か国で発売。さらに13年には、新作「Skandalon」を発表と、いまもっとも注目のBD作家として活躍中。
日本語版「ブルーは熱い色」DU BOOKSより発売。

撮影監督:ソフィアン・エル=ファニ Sofian EL FANI

チュニジア生まれ。撮影助手として映画界入りし、マルチカメラによる撮影を基本とするケシシュ作品において、長らく第2カメラを担当した。02年にチュニジアのヌーリ・ブジット監督作“Poupées d'argile”で撮影助手に就き、翌年、「身をかわして」で初めてケシシュ作品の現場に。以降、撮影助手を経て第2カメラの担当に。09年、メフディ・ベン・アッティア監督の“Le fil”で初の撮影監督を務め、今回、リュボミール・バクシェフに代わってケシシュ作品の撮影監督を初めて務め、その期待にみごとに応えた。

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